トイレ改修工事
トイレの改修は設計・施工者としての力量とセンスが十分に現れてくる工事の一つです。
今までは汚い、臭いといった印象の空間から、明るく快適な空間へ、そしてトイレ機能の付加へと意識が移行している事実があります。
トイレの単位空間の寸法体系の知識に加え、人の心や行為を知ることはもちろん、日々進化している衛生設備の原理や換気の仕組みの配慮、材料の知識や清掃管理、メンテナンスのことを同時に考えていかなければなりません。「たかがトイレ、されどトイレ」と言われますが改修工事では限られたスペースや建築・設備の中で必要な個数を確保することは簡単ではありません。
当社は利用者のトイレへの要求が年々高まっている中で、快適な空間づくりを目指し、設計・施工を一貫して行うことでコスト面の調整がスムーズに対応でき、無理な計画で費用が加算しないようお客様と相談しながら計画したいと思います。
計画・設計の主なプロセス
当社は、ユニバーサルデザインはもとより、快適の先に何を目指してトイレの計画、設計、施工までを常に考えるよう努めていきます。
1.規模
利用人数、稼働率、既存の状況などから洗面、便器の数をお客様と確認します。
2.平面・断面計画
構造躯体と便器の干渉がないか、設備配管竪シャフトの横引き排水可能かどうか、廊下から見えないようにトラップを設け、中の様子が見えないようにできるかなどを計画します。工事に無理がでないよう専門業者と連携しながら計画します。
3.モジュール・寸法計画
洗面器・小便器は隣の人と干渉せずに行為が行えるか、トイレブースは排便までをスムーズにできる寸法を確保されているのか、利用者(子供、障害者、妊婦、老人など)を考慮しているのかなどを計画します。
4.性能計画
換気回数、照度などの設定しお客様と確認します。
5.設備機器選定
便器は建物の用途、清掃面、コスト面から総合的に選択します。
和便器の必要性をお客様と確認します。
温水洗浄便座や擬音装置の設置などもお客様と確認します。6.付帯装備・インテリア計画
仕上げの材料、SKの棚、モップ掛け用、フックを設置、女性便所の姿見の配置、人感センサー、窓サッシからのぞかれ防止対策などをお客様と確認します。
7.工事計画
工事内容にもよりますが、工事中は施設の運営に支障がでないように十分にお客様と確認する必要があります。例えば断水する日程、時間、範囲はどこまでか、音や振動の作業がどの程度か、搬出入や作業員の動線、工事時間などを打ち合わせしていきます。また工事中はトイレが使用できない為、できる限り工程に配慮しなければなりません。
8.保守管理
メンテナンス方法を整理し、竣工引き渡し時に保守管理として提出します。